精神科ER開設のお知らせ

精神科医療ではすぐに受診できる病院を見つけにくいことや、受診まで待機する時間が長いことが課題になっています。未受診や診療の遅れは、精神症状の悪化や介護負担につながることが少なくありません。病態が直接的に生命の危機につながる急病でなかったとしても、「今日診てほしい」という患者さん自身が感じる緊急性(例:強い不安や混乱)には迅速に応える必要があると私たちは考えます。
うつや不安・不眠などでお困りの方は多く、高齢化により地域の認知症の患者さんは増え、相談件数が年々増加しています。赤城病院としてもニーズに応える体制の必要性を実感していました。
そのため、赤城病院では以前からこれらの問題を真摯に受け止め、患者さんご本人やご家族、かかりつけ医療機関などからのお問い合わせに、できるだけ早く対応するように努めてきました。

さらに、精神科救急受診の課題解決にむけて、このたび赤城病院は、精神科救急体制をさらに強化しました。精神科E Rを担当する医師を中心に、看護師、精神保健福祉士、事務職員による多職種連携チームを編成し、チームで情報共有し、これまで以上に早く対応し、適切に治療を開始します。身体救急のER(Emergency Room)のような迅速かつ柔軟な受け入れ体制を目指す気持ちを込めて、この受け入れ体制を「精神科ER」と名づけました。赤城病院の精神科ERでは、地域の医療機関や救急隊員、社会福祉サービスとも連携して、幅広い精神科受診を可能にします。

精神科ER説明図
通常外来との違い

精神科ERでは、精神症状(不安や不眠、興奮、幻覚妄想、依存など)でお困りの患者さんを柔軟に受け入れ、迅速かつ適切な精神医療を提供します。そのために、外来予約枠に限らず柔軟に受診を調整し、初期治療を始めます。さらに赤城病院の専門性を活かし、入院治療、退院・地域移行支援までの一貫したケアを提供します。精神科救急に多い身体疾患の合併には、内科や救急領域の専門医と連携して適切な検査や治療が可能です。このような受診困難への柔軟な対応は、地域のニーズが大きいと感じています。一般的な外来受診の広さ(保健医療圏)を超えたご相談にも対応しています。

精神科ERの医療圏図

精神的な症状に悩む患者さんやその関係者にとって、受診ができないことや受診を待つ期間はつらいものです。受診したとしても精神科の専門的な治療に結びつかなければ、解決にはなりません。赤城病院は、これからも「地域医療を重視し、迅速に救いの手を差し伸べる」という行動指針を掲げ、患者さんの安心と尊厳を最優先に考えた診療を行ってまいります。精神症状で受診できる医療機関がなくお困りのときは、精神科ERのある赤城病院へ一度ご相談ください。

病院案内

赤城病院

  • 診療科目精神科・心療内科・内科・救急科・リハビリテーション科・消化器内科・呼吸器内科
  • 所在地群馬県前橋市江木町1072
  • Tel. 027-269-5111