DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team)とは、自然災害や航空機・列車事故、犯罪事件などの集団災害の後、被災地域に入り、精神科医療および精神保健活動の支援を行うために都道府県・政令指定都市によって組織される、専門的な研修・訓練を受けたチームです。赤城病院は「群馬DPAT」に2018年の発足時から所属し、なかでも発災後遅くとも48時間以内に被災地で支援を行う「先遣隊」として活動しています。
チームは精神科医師、看護師、業務調整員(医療活動を行うための後方支援全般)を含 めた数名で組織されます(先遣隊は精神保健指定医が必須条件)。被災地では他のチームや災害本部や現場指揮者、自衛隊、DMAT(災害派遣医療チーム)など様々なチームと連携し、任務にあたっています。また、共に任務に当たるこれら被災者を支える方々の支援もDPATの重要な任務の一つです。
被災地での主な活動
・情報収集とニーズアセスメント
・被災地での精神科医療の提供
・被災地での精神保健活動への専門的支援
・被災した医療機関への専門的支援(患者の別病院への避難を含む)
・支援者(地域の医療従事者、救急隊員、自治体職員等)への専門的支援
・自治体などとの連携
※DPAT事務局ホームページより引用
このほか本部活動、情報発信、精神保健医療に関する普及啓発、活動記録、活動情報の引き継ぎ、活動の終結など多岐にわたります。なかでも先遣隊は、被災地での本部機能の立ち上げやニーズアセスメント、急性期の精神科医療ニーズへの対応等の役割も担います。
赤城病院は日ごろから精神科救急に加え、内科や睡眠、急性期医療などに力を入れており、幅広く患者さんの受け入れをしています。DPATでの活動もその特徴を活かし、災害に見舞われたみなさんにとって「いま、ここで」必要なものを考えて迅速に対応し、精神的な健康障害を最小限に抑えることを使命として活動しています。
そのために、日ごろから様々な研修会に参加して技能維持に努めておりますが、当院では院内でも会議を定期的に開き、職員であれば誰でも参加できる体制をとっております。会議では、活動後の各隊員の情報交換や実践訓練のほか、被災地で用品が不足することを想定した訓練なども行っています。
派遣活動が増えるにつれ、院内での隊員希望者や会議出席者は増えており、今後さらに円滑な派遣活動が行えるような体制づくりに努めて参ります。